もっと面白いかしわを目指せ!<ストリートパフォーマーのつどい>

by=上野さくら   2000.12

 

21世紀も残すところ、あとわずか。
あなたのすむ街は、どんな表情でこの1年を締めくくり、新しい世紀を迎えようとしているのだろうか。

私たちの街かしわは、この半世紀飛躍的な発展を遂げ、首都圏でも指折りの商業都市、ベットタウンとして成長。スポーツや若者文化の拠点として内外から注目を集め、新世紀に向け、さらに大きく前進しようとしている。

そんな師走のあわただしい中、今月12日(火)、柏市のアミュゼ柏で「ストリートパフォーマーのつどい」が開かれた。

失敗は成功のもと?!
 楽しく和やかに、思い切りステージを
楽しんだパフォーマーたち

主催は、ストリートブレイカーズand柏駅前イメージアップ推進協議会。
駅前に集う若い路上演奏者たちに大きなステージで発表する場を提供するとともに、公共の場所での演奏活動についてルールやマナーを考えてもらおうと企画されたもので、参加ミュージシャンは22組。会場には彼らと観覧希望の人たち約150人が集まり、和やかでアットホームな雰囲気のなか、午後6時30分から約3時間にわたる熱いステージが繰り広げられた。

実は私、この秋、取材のため市民ボランティアグループ・ストリートブレイカーズの活動に接しているうちにその魅力に引き込まれ、いつのまにか仲間入り。今回初めて、スタッフとしてイベントに参加させていただいたのだ。

この日は4時に集合し、会場準備と司会進行を担当。若い出演者たちに混ってステージにあがり、ユニットの紹介やメンバーとの楽しいおしゃべり。舞台の袖で彼らの演奏に耳を傾けつつも、一緒に舞台を作り上げる緊張感に身が引き締まり、サイコーに幸せな気分!!なんだか自分だけ得してしまったようで、ストブレの皆さん、ごめんなさい!

本当のところ、このイベント開催にあたっては不安な点も多く、私の心中は最後まで??マークでいっぱいだった。最大の不安は、出演予定のパフォーマーたちは本当に来てくれるだろうか、演奏が終わっても席に残り、仲間の音楽を聴いていてくれるだろうか、ということ。400席もある観客席に閑古鳥が鳴き、冷たい空気が流れたら、3時間どうやって持たせたらいいんだろう・・・。

けれど、案ずるより産むが易し!
当日は開演30分前から続々と出演者がやってきて、段取りもバッチリ。打ち合わせなしのぶっつけ本番にも関わらず、パフォーマーのみんな、よく頑張ってくれた!!
どのユニットもみな精一杯、自分たちの力を出し切り、ステージでの演奏を楽しんでくれたよね。そして、仲間のパフォーマンスを温かい目で見守り、耳を傾けていた。

そうそう、ゲストの〈なおと〉さんの演奏もかっこよかったよね。歌声はもちろん、曲のアレンジも最高。演奏を聴いていて、グググッと心がふるえるほど、感動しちゃった! 出演者たちもみんな、うっとり聞き惚れていた。

さすが実力派!
〈なおと〉さんの胸を打つ弾き語りに、
思わず会場はしーんとなった

〈なおと〉さんはストブレの出身ミュージシャンで、今でも時々柏駅周辺で路上ライブしているとのこと。そんな経験から、駅前での活動について5つの提言をアピール。会場のみんなも深くうなずいていたのが印象的だった。

ステージの上で夢中になって演奏する彼ら、仲間のパフォーマンスを真剣な眼差しで見つめる若者の姿を目にして、なんて素敵なんだろう、なんて頼もしいんだろうと、3時間感激しっぱなしの私。
「近頃の若者は・・・」などといって、ストリートミュージシャンたちを横目でしか見ることのできない大人たちにこそ、見て欲しかったなぁ。

閉会後すぐ、会場係の1人として関わっていた私の息子が、息せき切って飛んできた。
「すごいよ、母さん。座席の掃除をしようと見回ってみたけど、紙くず1枚落ちていなかった! みんなの気配り、びっくりだね!」
彼らと同年代の息子にとっても、パフォーマーたちの音楽に寄せる真摯な思いや取り組み姿勢には目からウロコ! 感じるものの多かった1日だったようだ。

まちづくりは、ひとづくり。
そんな言葉はよく聞かれるけれど、それを具体化していのは本当に難しい。
柏駅周辺は、行政と地元商店、市民たちが寄り添って、〈もっと面白いかしわを作ろう!〉と取り組んできた。互いによいところはよいと評価し、まずいところは改善していこうとまっすぐな気持ちで向き合ってきたからこそ、今日の〈かしわ〉があるのだと思う。

新しい時代、21世紀の幕開けは近い。
私たちの住むまちは、私たちのもの。だからこそ、自分たちの手で新しいまちを築いていきたい。

ストブレは来るべき2001年に向かって、早くも活動を開始。
来年も楽しいイベントを通して〈もっと面白いかしわ〉を目指していくぞ!
みなさん、乞う、ご期待!!!

(記:上野さくら)